北村耳鼻咽喉科
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鼻の病気

鼻について

鼻の機能は、主に2つで呼吸機能(息をする)と嗅覚(においを嗅ぐ)です。
呼吸機能は、空気を鼻から吸い込み肺に送り込む際に、十分に温めて加湿し、ウイルスや細菌、ほこりなどを取り除いてきれいにして、感染症などを防ぐ役目を果たしています。
嗅覚(においを嗅ぐ)により、腐敗した食べ物や有毒な臭いを嗅ぎ分けて、食中毒やガス中毒などの危険を事前に察知し、病気になる事態を避けることが出来ます。また良い香りを嗅ぐことで気分がよくなることは皆さんご経験されていることでしょう。
鼻の病気にかかりこれらの機能が損なわれると日常生活の支障(QOL;quality of life の低下)をきたします。

このような症状の方は耳鼻科にご相談を

  • くしゃみや鼻水が止まらない
  • 「鼻の奥に何か流れる感じ」があり、繰り返される咳払いが出る
  • 鼻詰まりが続いている
  • 粘り気の強い鼻水が出る
  • 鼻の穴で嫌なにおいがする
  • 臭いがよく分からない
  • ほほや目の付近の痛み、頭痛が続く
  • 鼻血がよく出る
  • 鼻に出来物がある
  • いびきをかいていると言われた

主な鼻の病気

アレルギー性鼻炎

発作性のくしゃみ、鼻水、鼻づまりをきたす病気です。「鼻の奥に何か流れる感じ」を自覚され、繰り返される咳払いが出ることもあります。ハウスダスト(室内塵)、ダニ等が原因で1年中症状が出る場合を通年性アレルギー性鼻炎と呼び、花粉が原因で季節的(主に春と秋)に症状が出る場合を花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)と呼びます。
アレルギー性鼻炎の方には集中力低下、睡眠不足、学力不振、仕事の生産性低下などの悪影響が生じ日常生活の支障(QOL;quality of life の低下)となります。

なぜアレルギー性鼻炎になるのか

私たちには周囲の細菌やウイルス、ダニの死骸や花粉などの異物が体に入ってきた際に、これらの物質を排除して体を守る働きがあります。この働きを免疫と呼びます。
この免疫が過剰に働き続けてしまうのがアレルギーと呼ばれるものです。またその原因物質をアレルゲンと呼んでいます。アレルギー性鼻炎や花粉症では鼻から吸い込んだダニの死骸や、体に害のない花粉を私たちの体が敵とみなしてそれを排除しようとします。このため発作性反復性にくしゃみ・鼻水がでます。よく風邪の症状と間違われやすいのですが、のどに痛みや腫れなどはみられません。
ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎を合併することがあります。

アレルギー性鼻炎(通年性)

アレルギー性鼻炎を発症させるアレルゲンは、年間を通じてハウスダスト(家の埃)やダニの糞・死骸などが最も多く、人によってはペットの毛やフケ、カビ、昆虫の鱗粉が原因のこともあります。ダニと言いましても塵ダニと呼ばれる小さなダニ(ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)のため肉眼では見えません。秋はダニの死骸が増えるため症状が悪化します。

診断

診察前に問診票を書いていただきます。症状の現れ方やアトピー性皮膚炎やぜんそくの診断をうけたことがあるか、家族にアレルギー性鼻炎、花粉症の方がいるかなどを確認します。診察では、鼻の中を鼻鏡やファイバースコープで見ます。鼻の粘膜の色が白っぽく腫れていて透明なサラサラの鼻水が多いのがアレルギー性鼻炎の特徴です。風邪でも同様の所見を認めますので、アレルゲン(家の埃、ダニの糞・死骸、ペットの毛やフケ、カビなど)を特定させるために血液検査(アレルギー検査)を行います。小さいお子様には指先から少し採血するだけで20分でわかるアレルギー検査を行っていますのでご相談ください。

副鼻腔炎を合併されていることもありますので疑わしい場合はレントゲン撮影を行います。

当院の治療

アレルゲンの回避(原因となるものを減らす)

原因が判明したらできる限りアレルゲンを除去して接触を回避していただきます。ダニがアレルゲンと判明した場合はダニの生息場所のベッドのシーツ、布団カバーを週1回以上は洗濯する、ベッドのマット、布団、枕にダニを通さないカバーをかける、布団の湿気を減らすために布団を週に2回以上干すかふとん乾燥機にかけて、週1回は布団に掃除機をかけること等が推奨されています。大変ですが効果はありますので、できる範囲で行ってください。そのような環境を整えつつ治療が開始されます。

外来での治療

アレルゲンを除去するために鼻洗浄を行い、ネブライザー治療(鼻の吸入治療)を行います。

薬物療法

診察前にアレルギー性鼻炎の治療薬に関するご希望をアンケート用紙に記入していただいております。眠気が出ない薬が良い、鼻汁、鼻閉を止める効果が強い薬が良い、1日1回の内服が良い等のご要望をふまえて、鼻アレルギー診療ガイドラインに基づき、第2世代の抗ヒスタミン薬の内服、ステロイド点鼻薬(鼻噴霧用ステロイド薬)、鼻閉が強い場合は抗ヒスタミン薬と血管収縮剤の配合剤の内服などによって症状を抑えて軽くするようにします。抗ヒスタミン薬の副作用としまして、眠気、口のかわきが生じる方がおられますので、再診時に確認致しますのでご相談ください。大切なのはその方にあった治療薬を見つけることですのでお気軽にご相談ください。
アレルギーを改善させる根本的な治療法としては、原因となっているアレルゲンを少量ずつ体内に入れていくことで体を慣れさせていく減感作療法(舌下免疫療法)を行っております。5歳以上から行えます。舌下免疫療法につきましては、当ホームページに別項目として記載しておりますのでどうかご覧ください。

手術治療

当院では、トリクロール酢酸による鼻粘膜の化学剤手術をおこなっています。この手術には鼻粘膜の腫脹を防ぎ、鼻汁の分泌を減少させる効果が認められます。
トリクロール酢酸は強い酸性の液体で、綿棒につけて鼻粘膜に塗ります。あらかじめ15分間、痛み止めの麻酔のガーゼを鼻に入れておいてから処置をしますので痛みは軽く、しみる程度です。この処置により鼻粘膜のタンパク変性がおこり、鼻粘膜の表層部にある肥満細胞というアレルギーをおこす細胞が死んで数日で脱落し、表層部の粘膜も変性して固くなります(トリクロール酢酸によるタンパク変性凝固作用)。その結果、腫れていた鼻の粘膜が小さくなって、ずいぶん鼻づまりが楽になります。鼻粘膜は生き物ですから再生しますが、このときにはアレルギーを起こしにくい性質になっています。痛みが少なく、小学生から行えます。効果は個人差がありますが、1年程度です。毎年、トリクロール酢酸塗布を反復することで効果が高くなっていきます。

術後は、よく鼻をかむことで大切で、これにより鼻粘膜のかさぶたがとれて鼻が通ってすっきりしてきます。
手術は健康保険の適応があります。手術についてはお気軽にご相談ください。

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)

花粉が原因で鼻症状(くしゃみ、鼻水、鼻詰まり)や眼症状(かゆみ、充血 など)を引き起こすアレルギー性鼻炎です。この場合は花粉が飛ぶ時期限定なので季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。春のスギ、ヒノキが有名ですが初夏から秋まではイネ科のカモガヤ、秋はキク科のよもぎやブタクサによる花粉症があります。

診断

通年性アレルギー性鼻炎と同じく、診察前に問診票を書いていただきます。症状の現れ方やアトピー性皮膚炎やぜんそくの診断をうけたことがあるか、家族にアレルギー性鼻炎、花粉症の方がいるかなどを確認します。診察では、鼻の中を鼻鏡やファイバースコープで見ます。鼻の粘膜の色が白っぽく腫れていて透明なサラサラの鼻水が多いのが花粉症の特徴です。風邪でも同様の所見を認めますので、アレルゲン(スギ、ヒノキ等の花粉、家の埃、ダニの糞・死骸、ペットの毛やフケ、カビなど)を特定させるために血液検査(アレルギー検査)を行います。小さいお子様には指先から少し採血するだけで20分でわかるアレルギー検査を行っていますのでご相談ください。

副鼻腔炎を合併されていることもありますので疑わしい場合はレントゲン撮影を行います。

当院の治療

花粉の回避

できる限り花粉との接触を回避していただきます。花粉情報サイトで花粉の飛散状況を把握し、花粉飛散が多いときはなるべく室内で過ごすよう心掛けます。

晴れて気温が高い日や、風の強い日、雨上がりの翌日などに花粉飛散が多くなります。
外出時には、マスクをして、花粉症用のメガネをかけて花粉の侵入を防ぎます。マスク着用の際は顔にあったサイズですきまができにくいものを選びましょう。また表面の素材がつるつるした帽子や上着を着用すると花粉が付着しにくくなります。帰宅したら家に入る前に上着にブラシをかけて、なるべく玄関にかけます。家に入ったら洗面所で手洗い、洗顔、うがいをします。

外来での治療

アレルゲンを除去するために鼻洗浄を行い、ネブライザー治療(鼻の吸入治療)を行います。

薬物療法

診察前にアレルギー性鼻炎の治療薬に関するご希望をアンケート用紙に記入していただいております。眠気が出ない薬が良い、鼻汁、鼻閉を止める効果が強い薬が良い、1日1回の内服が良い等のご要望をふまえて、鼻アレルギー診療ガイドラインに基づき、第2世代の抗ヒスタミン薬の内服、ステロイド点鼻薬(鼻噴霧用ステロイド薬)、鼻閉が強い場合は抗ヒスタミン薬と血管収縮剤の配合剤の内服などによって症状を抑えて軽くするようにします。抗ヒスタミン薬の副作用としまして、眠気、口のかわきが生じる方がおられますので、再診時に確認致しますのでご相談ください。大切なのはその方にあった治療薬を見つけることですのでお気軽にご相談ください。

アレルギーを改善させる根本的な治療法としては、原因となっているアレルゲンを少量ずつ体内に入れていくことで体を慣れさせていく減感作療法(舌下免疫療法)を行っております。5歳以上から行えます。舌下免疫療法につきましては、当ホームページに別項目として記載しておりますのでどうかご覧ください。

手術治療

当院では、トリクロール酢酸による鼻粘膜の化学剤手術をおこなっています。この手術には鼻粘膜の腫脹を防ぎ、鼻汁の分泌を減少させる効果が認められます。
トリクロール酢酸は強い酸性の液体で、綿棒につけて鼻粘膜に塗ります。あらかじめ15分間、痛み止めの麻酔のガーゼを鼻に入れておいてから処置をしますので痛みは軽く、しみる程度です。この処置により鼻粘膜のタンパク変性がおこり、鼻粘膜の表層部にある肥満細胞というアレルギーをおこす細胞が死んで数日で脱落し、表層部の粘膜も変性して固くなります(トリクロール酢酸によるタンパク変性凝固作用)。その結果、腫れていた鼻の粘膜が小さくなって、ずいぶん鼻づまりが楽になります。鼻粘膜は生き物ですから再生しますが、このときにはアレルギーを起こしにくい性質になっています。痛みが少なく、小学生から行えます。効果は個人差がありますが、1年程度です。毎年、トリクロール酢酸塗布を反復することで効果が高くなっていきます。

術後は、よく鼻をかむことで大切で、これにより鼻粘膜のかさぶたがとれて鼻が通ってすっきりしてきます。
手術は健康保険の適応があります。手術についてはお気軽にご相談ください。

副鼻腔炎

副鼻腔とはどこにあるのですか

鼻の周囲にある骨の中にある空洞のことです。空洞には上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞があります。

このような症状の方は副鼻腔炎に注意が必要です

  • 黄色い粘り気の強い鼻水が止まらない
  • 鼻詰まりが続いている
  • 鼻水がのどに流れて、痰になって引っかかって、せきが出る
  • 鼻の奥で嫌なにおいがする
  • 臭いがよく分からない
  • ほほや目の付近の痛み、頭痛が続く

なぜ副鼻腔炎になるのか

風邪を引くと、鼻の粘膜が炎症を起こして鼻水や鼻づまりなどの症状が現われます。こじらせると、炎症が副鼻腔にまで広がり、膿のような鼻水、ほほや目の周りの痛みや頭痛、痰まじりの咳などが出てきます。「鼻の奥に何か流れる感じ」を自覚され、繰り返される咳や咳払いが出ることもあります。これが副鼻腔炎です。主な原因は細菌感染やウイルス感染です。

診断

症状の問診と鼻鏡やファイバースコープによる鼻腔内の観察でほぼわかりますが、小学生以上では、レントゲンが有用です。虫歯から起きる歯性上顎洞炎やカビで起きる真菌性副鼻腔炎、腫瘍などが疑われる場合は、CTで確認します。

当院の治療

外来での治療

診察時に鼻水を吸い取って、鼻の粘膜を収縮させて鼻の中を広げる処置を行います。そのあとで鼻洗浄(生理食塩水で鼻の中を洗う)を行います。最後に鼻に抗生剤のネブライザーを行って院内の処置は終了です。

内服治療

抗生剤や粘液溶解剤を急性鼻副鼻腔炎診療ガイドラインに基づいて処方します。痛みや熱があるときは解熱鎮痛薬を追加して使用します。

ご家庭でできること

鼻水が出ている場合は、お子様なら鼻をふいてあげて、可能なら市販の鼻吸い器などで吸ってください。また鼻をかむ練習を市販の器具(はなかめるゾウ®など)で行うことも有用です。

好酸球性副鼻腔炎

鼻茸(鼻の中のポリープ)による鼻詰まりと嗅覚障害を認めるアレルギー性の副鼻腔炎で、近年増加しています。気管支喘息を合併することが多く、患者さんは成人の方がほとんどです。難治性で指定難病となっています。TV等では「新型副鼻腔炎」の名称で紹介されています。
診断基準に基づき、診断と治療を行います。治療はステロイド点鼻や内服を行いますが、治療が長期にわたり完治は難しい病気です。気管支喘息で吸入ステロイド薬を使用されている方には吸入後に鼻から息を出すように指導しています。また喘息のコントロールをしっかり行うことも大切です。症状が進行した場合は、手術治療を総合病院で行いますが、手術後も通院して鼻洗浄とステロイド点鼻や内服を続けます。手術後も再発の可能性が高く注意深く経過観察する必要があります。

嗅覚障害

においがよく分からなくなることを嗅覚障害と言います。鼻に入ってきた匂いの分子は、鼻の奥の粘膜を通じて嗅神経細胞に伝わり、その刺激が脳へと届けられるわけですが、この伝達が上手くいかないことにより、におわなかったり、嫌なにおいがしたりします。原因は鼻づまりによるもの、においを感知する鼻の神経の障害、脳の障害によるものです。また喫煙は嗅覚の減退を起こします。超高齢化社会を迎え、嗅覚障害は増加しています。
「従来とは違うにおいに感じる」、「においが無いはずなのににおいを感じる」というのは異臭症と呼ばれます。また嗅覚と味覚は相互に作用しており嗅覚障害になると味覚も低下します。

診断

嗅覚障害の程度は、アリナミン注射液(ニンニク臭のあるビタミン)を静脈注射して、ニンニク様のにおいが何秒でにおうか、何秒間におうかを確認します。鼻の中を鼻鏡やファイバースコープで観察して副鼻腔炎や鼻茸(ポリープ)、アレルギー性鼻炎がないかを確認します。レントゲンやCT、MRIで診断することもあります。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病の方は嗅覚障害になることが多いことが報告されていますので問診で確認します。

当院の治療

嗅覚障害の原因が副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、鼻づまりならば、それらの治療を行います。
炎症やウイルスによって嗅粘膜に障害が起こったと考えられる場合は、ステロイド点鼻療法(ステロイド薬を用いた点鼻療法)の方法を外来で指導します。神経を活性化させるビタミンB製剤、嗅神経細胞の再生をうながす可能性がある亜鉛製剤、当帰芍薬散の内服が中心となります。3ヶ月をめどに治療をおこないます。改善すれば、数か月かけて徐々に点鼻ステロイド薬を減らしていきます。
近年、嗅覚刺激療法と呼ばれる嗅覚のトレーニングが有効なことがわかってきました。12週間、1日2回、10秒程度バラやレモン、メンソールなどのにおいを嗅ぐ方法です。また鼻呼吸を意識して色々なにおいを嗅ぐことも大切です。
3年以上においが感じられない方、風邪を引いた後や、頭を強く打った後ににおわなくなった方、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病の方、アリナミンテストでにおわない方には現時点では効果的な治療法はありません。

鼻血

鼻血はアレルギー性鼻炎で鼻を頻回にかんだり、いじったり、打撲によりおこります。中高年の方で脳梗塞や心筋梗塞の予防で抗血栓薬を内服中の方は繰り返し鼻血をきたすことがあります。
多くは、鼻の孔を左右に分けている鼻中隔と呼ばれる部位の前の方から出血します。

治療

ご自分でできること

小鼻を親指と人差し指でつまんで、約10分間圧迫します。お子様の場合は、身近な方が行ってください。綿球を鼻に入れて圧迫できれば更に効果的です。ティッシュペーパーを丸めて入れるのは、抜去時に再出血しやすいのでお勧めしません。

当院での治療

出血が多い場合は、止血用ガーゼ(痛み止めの薬も入っています)を入れて、止血します。止血後、出血部位を確認し、薬品(トリクロール酢酸)をつけた綿棒で出血部位を圧迫して凝固止血するか、電気メスで凝固止血処置を行います。
中高年の方の鼻血で、のどに大量の鼻血が流れ込む場合があります。これは鼻中隔の後の方からの出血です。外来では止血困難のことが多いため、止血用タンポンを挿入してから総合病院の耳鼻科に紹介することがあります。

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